小ネタのようなボツのような

SとM

彼らは時折、女王とその従僕のように振る舞った。ノルウェーの他愛ない我が儘を、デンマークは恭しく受け入れる。それだけで足りない女王の罵詈雑言も、戯れに打ち据えられる手のひらも、従僕は笑って受け入れる。女王とその従僕のように振る舞うその時間のうちであればきっと、デンマークはノルウェーの爪先にだって接吻をくれてやっただろう。

ともかく彼らは女王とその従僕のように振る舞った。ノルウェーはデンマークの前でだけ必要以上に理不尽に、我が儘に、横暴になり、デンマークはノルウェーのそんな振る舞いだけを笑って受け入れた。それでも足りない女王は罵詈雑言を吐く。従僕は笑って受け入れる。まだ足りないもっと受け入れて欲しいと手を上げる。そんな凶行すら優しく受け入れられる現実に酔う。震えすら起こる。きっと今が、自分が生き物として、今がいちばん輝いているに違いないと思い込む。抜け出せない。背徳だ。しかし、無償の愛など存在しない。生き物が生き物に注げる愛など高が知れている。つけを、代価を、いつかは払うことになる。

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